三日月クラシック | ルドルフ・ヌレエフの極めて個人的なファンブログ(だった)。作品リスト、伝記原文比較等

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Posted by ミナモト on  | 

危機感を抱きながらダンサーメモ

今年の秋冬は恒例どおり三国志に親しみ、今まで見た小説やドラマの復習をしながら
陳先生の小説十八史略を読んで中国史全般への理解を深め、
さらにDancerを和訳して脳内でフィクションヌレエフと遊んで愉快に過ごそうと思っていたのですが
色々あって突発的に水木しげる御大に心を奪われてしまいました。
……で、ずっと漫画と自伝と伝記読んでる……。夏はエロイカだったぞ。全く反省してないぞ。

今すごく気になってるのは、敵の攻撃からただひとり生還した水木サンにつめたい言葉をかけた小隊長と
腕に重傷を負った水木サンに輸血を申し出た小隊長は同一人物か否かってことです。
最初は戦記漫画全然興味なかった(というか怖かった)のに
次々あれもこれも手を出したくなってこまったものです。
あと妖怪師弟つながりで京極夏彦も読み返したくなってきたり。鉄鼠と魍魎がスキ。
遠野リミックスは、みやざわグレイテストヒッツくらいとんでもないことになってるのを期待してたのに
チラッと見た限りではかなりまじめに遠野現代語版って感じなのかなあ。


そんなわけでたまにはヌレエフに注意を戻してみる。
小倉重夫氏訳のヌレエフの、「私は……なのだがね」みたいな、ちょっと気取った名探偵風(?)の口調や
冗談めかしたときに語尾にカタカナで「ネ」ってつけたりする喋り方がすごく好きなのですが
マッキャンヌレエフはどうもそういう口調で喋ってくれなさそうです。スラングのニュアンスがわからん。
現実のプティも「悪い言葉ばっかり覚える」ってこぼしてるし、
ほんとは普段はあんまり上品な喋り方じゃないんだろなあ。(笑)
芸術と半生では主に仕事の話をしてるからああなのかな。

芸術と半生での小倉氏の訳文は、とても味わい深くてよいです。
「鬱々として楽しまなかった」とか、今の感覚だとほとんど漢文用語ですね。
でも、Side Showを「つけたりの見世物」とするのはともかく
Field Figureを「田園の幻影」と訳すのはさすがに無理ががが
しばらく何のことだかわからなかった。
(I am a Dancerの収録作品という情報がなければ、一生わからなかったもしれない)

★私はヌレエフに何を期待しているんでしょうかネ。

あと、マッキャンヌレエフがやたらサーシャサーシャ連呼してるので
(はじめ何がなんだかわからなかったので、とりあえず台詞と人名が出てくるところだけ探して読んだ)
サーシャサーシャってどのサーシャだよとか思いながら前後を確認したらプーシキン先生のことでした。
アレクサンドル。なるほど。英語伝記にも確かにサーシャという呼びかけが見られた気がする。
先生を愛称呼びするのはソ連では普通のことなのか、
特別ヌレエフが馴れ馴れしくて特別ふたりが親しいのかどっちなんだろう。
親しいのは間違いないんだけど。

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Category : バレエ雑記
Posted by ミナモト on  | 2 comments 

お弁当もってみんなで湖に行こう

京極夏彦作の「姑獲鳥の夏」のインスピレーションソースのひとつには、
白鳥の湖が入っているのではないかと言いがかり的に思っている。

具体的には、鳥のイメージを持った女性が出てくるところや、 そっくりな女の子を取り違えてしまって悲劇が起こるところや、王子様が悪魔から私を救いにきてくれたと思ったらどうやら勘違いだったところとか、
それでもどうにか王子様の活躍で本来の自分を取り戻せたところ
 とか。
(一応ミステリなのでねたばれ配慮)


昨今主流の解釈では白鳥の湖は王子主体の物語とされ、
ともすればオデット=白鳥姫は空想上の存在になってしまう。
それはそれで別にいいんだけど、ここであえてオデットの物語」として捉えなおしてみると
「人間が人間らしくあるためには、どんな状況でも希望を持つべきである」
というメッセージが見えてくる気がしました。……言いがかり的に。
私すぐに「王子の役立たず、ばーかばーか」と囃し立てたくなってしまうタイプの人間なわけだけど、
たとえ末路が湖の底でも、一瞬でも希望をもたらしたという意味では
彼は白鳥姫にとって充分意義のある存在だったのだ。たぶん。

(なぜかネタバレになりそうだから伏せておくけど、 私はオデット=オディール二重人格説をときどき支持している。悪魔たちが正体を現した瞬間速攻「なんてこった!」ってなるの、あれおかしいだろ早すぎだろ。さっきまで一緒に踊って愛を誓った女を今度は一瞬で偽者認定するのかよ。実は窓の外の白鳥がまやかしなのかもしれないのに。だから王子はあそこで慌てず騒がずにっこり笑ってさ、「なんであなたたちはそんなに勝ち誇っているんだろう。僕がきのう湖で会ったのもいま愛を誓ったのもあなたなのに」とか言っておけば、黒と白の人格が統合されて四幕すっ飛ばしてトゥルーエンド直行できたり……しませんか。しませんね。


★「鳥になった女」のイメージは、京極氏のほかの作品にも登場する。
「青鷺の火」ではより切なく、「 陰摩羅鬼の瑕」ではより禍禍しい形で。

 

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この偉大な世界は永遠に回転するか

Colum McCann作、Let The Great World Spinの邦訳「世界を回せ」を読みました。
上巻がすごく面白くて、下巻が届くまで一日千秋の思いで何も手につかなくてとても困った。
クレアの章がお気に入りだったので、下巻の展開には胸が熱くなりましたぜ。
この人の書く女性はみんな地に足をつけて生きてる感じがするのに、
男性陣は大体ふわふわしてる気がするな。ヌレエフもふわふわ系かな。(笑)

(写真を撮ったのがタグの人だっていうのはわかったんだけど、
イーサウェストが他の章とどう関連があるのか解らない。
未来のコンピューター社会とテロと戦争を暗示してるだけで、直接他の章とは繋がらないのかな)


文体とか形式とか、ゾリよりもこっちの方がDancerに近いみたいです。原文見てないからわからんけど。
ちゃんと訳したらこうなるのかなって感じで、かなり参考になりました。
ていうか、そういうの関係なくマッキャン作品面白いです。
ゾリも世界を回せも、ストーリーも人物もみんな好きになれたので、
Dancerのことも、ヌレエフを描いた小説ってだけでなく大好きになれると思います。
(まーだ読んでねーのかよというツッコミをお待ちしてます)
他の作品も邦訳されないかなあ。最近新作が出たそうなのでそれも気になる。
ちなみにマッキャンは、ヌレエフ本人は実は結構どうでもよくて
彼の周囲の市井の人々により関心があるそうです。ふはは。
その割にはヌレエフの一人語りパートが多い気がするけど。

公式サイトのインタビューによりますと、
幼いころ荒れた家庭で育ったマッキャンの友人が、
家にはじめてやってきたテレビに、はじめてうつったヌレエフに恋してしまい
そして30年たった今もなお、やっぱりヌレエフの虜のままであるというエピソードが
小説のインスピレーションの素となっているとのこと。

ヌレエフが活躍を始めた時代は、家庭にテレビが普及してきた時代とだいたい重なっています。
テレビ出演やバレエの映像化により、劇場に足を運ぶ機会のない人にもバレエに触れるきっかけが生まれ、
新たなファン層の開拓に繋がりました。
もうじきアデューしてしまうオペラ座のエトワール、アニエス・ルテステュも
ダンサーを志したきっかけは、子供のころテレビでヌレエフとフォンテインの白鳥を見たことなのです。

世界は広がる。世界は回る。
私もそうして生まれた小さなファンの一人であり、
だからきっとDancerは、私のための小説なんです。
(すごい思い込みだ)


「世界を回せ」、帯に映画化の話が書いてあったので調べてみたら
……なんか2009年の記事が出てきた。監督がやたら忙しそうな上続報らしきものもないんだけど、
実現は一体いつになるのだろうか。
 

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ブラヴォー/たとえばあさつゆ

★メールアドレスが変わりました。古い方は来年3月くらいに使用できなくなります。

ビールかけ会場でのマーくん 「日ハムさんも勝ってるって聞いたから……。」
我々の今シーズンは、この瞬間のためにあったようなものですね。(錯乱)
地を這うように生きていたけどちょっと元気になりました。ハムだって去年はあんなふうだったのだが、
どうして人生の輝きは去っていってしまうのだろう。


三浦雅士インタビュー集 ブラヴォー!(新書館)が思った以上にヌレエフだらけの本でした。
まだ全然感想とかまとまってないんですけどなんだこれ。特にイレールの章がすごい。
もう読んでて意味がわからない。ほぼヌレエフ。
イレールは前から好きなダンサーで、でもどんな人なのかはほとんど知らなかったので
(そもそもまともに踊りを見たのもバヤデールくらいかなあ)
熱く饒舌にヌレエフとのことを語っているのを読んで胸が震えました。
ル・リッシュのエピソードも面白いなあ……。他にも、ほとんどの人の話にヌレエフが登場します。
オペラ座の人がどれだけヌレエフの存在を大事に思っているかが伝わってきますです。

正直読んだこと後悔するレベルですねえ。オペラ座の今後やらなにやらについては
なるべく興味をもたないようにしてたんだけど。(笑)

あわせて読みたい、チャコットDance Cubeのアニエス・ルテステュインタビュー。
ここには書いてないけど、もうじきアデューしてしまう彼女がダンサーを志したきっかけは
テレビでヌレエフとフォンテインの白鳥の湖を見たこと。

同じくDance Cubeより、ルグリとウィーン国立バレエによるヌレエフへのオマージュ。
ウィーン版の白鳥って、フランスで上演されたことなかったんですね。ちょっと意外。

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特集第一弾/しずかちゃん

「バレリーナへの道」94号、ヌレエフ特集第一弾読みましたー。
先日はオンオフ問わずあちこちで動転して大騒ぎし、周囲に迷惑をかけてしまい反省しきりです。
以下よかったとこ。

◆写真がいいね
収録されているヌレエフの写真やパンフレット等の資料など、写りのよいものが多いです。
特に気に入ったのはカレンダー! なんで'79年なのに若者と死なのかはわかりませんが(笑)
若者と死は、映像も写真もすごく綺麗に撮られてるんですよねー。もっと踊ればよかったのに。

◆薄井憲二バレエ・コレクション 「亡命したダンサー ~ルドルフ・ヌレエフ~」
この展示は知りませんでした。(うちはもうかなり前から、情報ブログであることを諦めている)
探したら公式サイトを発見。リーフレットをpdfで見ることができます。
兵庫県立芸術文化センター 薄井憲二バレエ・コレクション

薄井先生は、振付については買っていないけどヌレエフの大ファン。
今からでもまた何か書いてくださらないかのう。

◆いろんな人のコメント
本企画の目玉ですね。
こういうの読むたびに、怖いとか気難しいって言われがちなわりには
実は普通かそれ以上に周囲に愛想のいい、陽気で優しい人に思えるのです。
半澤先生の思い出でもそうだった)
花束投げ(これは新技)とか開演延期とか、激しい面が出るのは
どうしても自分の芸術に納得がいかないときなのかなあ。とか知ったかしてみる。

西優一さんのコメントで、「バスという英語の発音がはっきりしなかったので、
これからお風呂に入ろうとしてたのか、バスに乗って帰ろうとしたのか……」とあったのを読んで
「ヌレエフ、その黄金時代」でのダン・ケニーさんの話を思い出しました。
(初来日時にヌレエフの通訳をした人)

あの時の思い出のひとつに彼を日本式の銭湯に連れていった時の話があります。
そこの浴槽がかなり大きかったので初めはおとなしくしていたのに、
そのうちにバシャバシャ泳ぎ始めてしまう程騒ぎ出しました。
こんなに広いお風呂は生まれて初めて見た、とびっくりしていましたね。


(季刊 バレエの本 No.22/音楽之友社)


このときヌレエフは古代ローマの公衆浴場を連想したのではないかと、
聞き手の市川喜久夫さんが推測しています。
……ローマでもテルマエでもなんでもいいけど、とにかくかわいい
もっと来ればよかったのに。


↓お返事

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Category : ヌレエフ情報
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KGBの理性/お返事

2010年代始まって以来の自分内エロイカ熱と共にこんにちは……!
そんなわけでまだしばらく色々ほったらかしです。

一応読んでる本のメモをば

★オペラ座の迷宮 パリ・オペラ座バレエの350年 (鈴木晶著、新書館)
ダンマガの連載をまとめたもの。
えーとヌレエフについては最後の章に載ってて、
「ダルビッシュはメジャーでは通用しない」
「レンジャーズ打線の援護があってあの程度の成績では評価できない」

みたいななんかそんな感じです。(てきとう)
全体的には面白そう


あとこれ。  実はまったく関係ないけど
★KGBの世界都市ガイド (小川政邦訳、晶文社)
本当か嘘かはわからねど、冷戦中ソ連のエージェントだった人たちの回想集、だそうです。
血腥かったり陰惨だったりはしないので軽く読めるんですが、
それでも当然しばしば怖い話が出てきます。たとえばこれ。

ニューヨークで活動していたとある諜報部員は、
ある日「祖国の裏切り者芸能人」の出演する舞台を見て突如怒り心頭に発し、
どうしてもその男を血祭りにあげずにはいられないという、本人にも理解し難い憎悪の感情に取り憑かれた。
彼は劇場に誘ってくれた友人(彼の正体を知らない)から、芸能人の来るであろうレストランの場所を聞き出し
硫酸で顔を焼く、銃で襲撃する、手榴弾で爆破するなどのさまざまな計画を立てる。

そしてついに彼は手榴弾の購入を決意し
「……っていう計画を練り上げたので、よろしく」と本部に連絡するのだが、
ソビエト国家はテロ行為など行わない!」(本当かな)と物凄い勢いで一喝され、
何も知らない芸能人の平和は守られたのであった。めでたし。



KGBの恐るべき陰謀とかならともかく、
そんな個人的なんだかなんなんだかよくわからない怨恨で爆破されたらたまったもんじゃないと思う。
(変わらないか)
それにしても、この「裏切り者芸能人」は、われわれのよく知っている人物である可能性もあるのだろうか。


この諜報員・ブルイキン氏は少し後に、
NY公演中のボリショイのバレリーナたちの観光案内という役目を与えられています。
スパイってそんな仕事もするのか。階級は中佐って書いてあるんだが。
親身になってコースを考えたり、デパートめぐり(※予算は少ない)に付き合ったりしていたようだけど
要するに監視役?

ちなみに東京に赴任していたエージェントの文章も載っています。
協力者の日本人の話とか、若干できすぎの感もあるけど
当時はそういうことはよくあったのかもしれない。やっぱりつらいお話です。


↓ここから拍手お返事

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Category : ヌレエフ情報
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休眠中だけど関連書籍メモ

PCが壊れていなかったらここをまたエロイカブログにする勢いで、エロイカ漬けになっている今日この頃。やっぱり少佐大好き。
ま、まあパソコンがないとヌレエフに浸りにくいって事情もあるから(震え声)



最近チェックした本のメモ。あとで加筆します。

■バランシン伝(新書館)
ずっと前コメントで教えて頂いた本。やっと読めました。ありがとうございます!
「王子に飽きたらまた来なさい」のエピソードは、他の本で読んだときは「バランシン冷たい、ヌレエフかわいそう」って印象だったんですが
これだと「そらこんなのが来たらミスターBも頭抱えるわな」って感じでした。どっちがより事実に近いのかはわからないけど(笑)

■グッドバイ バタフライ(森英恵著)
世界的デザイナーの自伝。オペラ座のヌレエフ版シンデレラの衣装デザインをしたときの話が数ページ。仕事熱心で気配り上手ないい人系ヌレエフ。

■二十世紀の10大バレエダンサー(村山久美子著、東京堂出版)
今年3月出版の新しい本。昨日の読売新聞の書評欄で紹介されてたよ。
こういうタイトルの本なので、当然ヌレエフの章もあり。まだちらっとしか読んでないんだけど、写真がダンサー一人につき一枚なのが寂しい。
ヌレエフの写真は、フォンテインと踊ったプティ振付の「失楽園」。なんだけどキャプションが「振付ヌレエフ」になっとる。
……ここで一瞬心が挫けて放置しそうになったのですが、読んでみたら文章はとても私好みでした。
多くのダンサーを扱う本だから、簡単に足跡をたどって終わりかと思ってたけど、亡命に至るまでの心理など丁寧に考察してあります。高速シェネとか女性のサポートとか、私の好きなところに着目してるのも嬉しい。
オペラ座での活動や振付家としての功績は数行だけど、そのあたりは既によそのオペラ座関係の書籍で語られているので問題ないでしょう。
短い文章だけど、ここまでダンサー・ヌレエフを描いた本は、久々に読んだ気がするなあ。

その他の好きなダンサーの章でも「そうそう、それそれ!」と共感する部分が多かったです。また、原則的に一ダンサー一写真の本書なれど、ヌレエフは森下洋子さんの章にも登場しお得なのです。
こうなるとつくづく失楽園のミスが惜しいです。凡ミス ダメ ゼッタイ。


★以前拍手で教えてもらったお話。
「ICON ニジンスキー妖像」に、ヌレエフを「ブダペストで亡命」と紹介する誤りがありましたが
当時ハンガリーは共産圏、しかも反乱をソ連軍に鎮圧されたてなので、亡命しても強制送還待ったなしだそうです。(そもそも亡命と言えるのだろうか)
ルドルフ23歳、思い立ったら時間と場所を選ばない男。ロシアより愛をこめて・シベリア大脱走編が始まってしまうのか。スペクタクルだなあ……。


★誰かが語るたび 誰かが愛するたびに 何度も何度でもよみがえってくれる そう信じてる。

Category : ヌレエフ情報
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ジゼルの農村、アルブレヒトの香水

大分前、シリル・ボーモント著の『ジゼルという名のバレエ』で
ジゼルも実は、彼女の母が貴族と恋に落ちたときの落とし子なのではないかという説を読んだことがある。

その解釈はとても興味深いと思って、例によって長いこと自分の中で物語を広げていたのだけど
実際にそうした解釈に基づいた演出のバール版『ジゼル』のDVD(パリオペラ座、主演)を観たときには、
なんだか興醒めしてしまった。

クーラント公とジゼルの母ベルトの秘密めいためくばせ、そのときのベルトの暗い表情……
村全体、そうでなければ家族と領主の間に重くよどむ欺瞞、そして起きる少女と森番の変死事件。
なんだか横溝正史の小説を髣髴とさせる陰鬱さにげんなり。(悪魔の手毬歌やね)
どう考えてもそんなもの連想する方が悪いんだけど、
どっちにしろジゼル一幕にそういう雰囲気は求めてないんだよなあ……。
(ていうか貴族の落とし子はともかく、バチルドと異母姉妹ってやりすぎでね?)
ジゼルの村にはあくまで、素朴でやさしく罪のない、皆が和やかに暮らす場所でいてほしい。
しかしそういった私の理想は、アルブレヒトがジゼルに押し付けた都合のいいつかの間の恋の夢と
なんら違うところはないのであった。

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雑誌情報/ヌレエフとバレエ漫画

うれしい雑誌情報だよー( ^ー^)ノ

SWAN MAGAZINE vol.32

今号の特集は ヌレエフとパリ・オペラ座!
6月中旬発売だそうです。もうすぐ!

ちゅーわけでなにぶん発売前で話題がないので、SWANおよびバレエ漫画のことなど。
(ずっと書きたかったけど機会がなくてできなかったのだ)


うちに母の蔵書の少女漫画(24年組中心)がたくさんあったので、私はバレエに嵌る前から
『アラベスク』(ただし二部しかなかった)だの『SWAN』(こっちはほぼ通して読んだ)だのに親しんでました。
(ついでに本格的にバレエを観るきっかけになったのは、漫画『牧神の午後』だったりして)

今になって読み返すと、絵を見て踊りのどの部分だかぱっとわかったり
それだけでなく元ネタの写真まで頭に浮かんだりして、新しい楽しみ方ができます。
(写真の模写は本来NGなんですが、当時はあまり気にされていなかったみたいすね。
 色々な意見があると思いますが、私もあんまり厳しく指摘することではない……と思う)

例えばアラベスク第一部には、オペラ座でマチューとロベールの踊る『ミラージュ』という作品が出てきますが
それの元ネタがヌレエフとフォンテイン主演の『失楽園』(プティ振付)だったりします。

文庫版第一部下巻204P
同じく258P

オペラ座には実際『ミラージュ』という作品があるけれど、
アラベスクの作中で説明されているものとは大分違うバレエみたい。
ノンナとミロノフ先生の踊る『アラベスク』の中にも、『マルグリットとアルマン』っぽい振付があったり。

あ、そういやもはや原形をとどめていないラ・シルフィードも有名ですね(笑)
物語はラシルだけど男性衣装がレ・シルフィードの詩人でいきなりコーダから始まって振付はジゼルで女性のヴァリエーションがピアノのやつ。
大変な名場面だし、アラベスクの後半のストーリーは本当に名作だから別にいいと思うけど
なにゆえ連載が進むほどバレエ知識があやふやになってゆくのかは純粋に気になる。

SWANにもヌレエフが出てきますよ!
序盤(文庫3巻)ではキャラクターとしても登場してるんですが、イラストのモデルにもなってます。
NY編のはじめの方で、真澄がルシィとエドのリハーサルを見るシーンのイラスト(秋田文庫9巻150P)が
どう見てもヌレエフが踊ったベジャール版『春の祭典』です。

バランシンのリハーサルをしてたんじゃなかったのか、君達。
設定上は『ruins(遺跡)』という作品のようですが、多分実在しないんでしょうね。
考えてみれば、「バランシンが振り付けた男性二人のパ・ド・ドゥ」って時点でちょっと奇妙な感じでしたね。
(そこまで計算した上での「わかる人にはわかる」小ネタ?)

ルシィがプリエしてる方の絵は『さすらう若者の歌』に見えるんだけどそっちは自信なし。
動画で似たような振付をちらっと見た気がするんだけど写真が見つかりません。もしかしたらこっちはヌレエフじゃないのかも。
……と思って探したらビンゴ。ドンさんとダニエル・ロメルさんの写真に大体一緒の構図がありました。
ま、初演はヌレエフってことで。

「エドとベジャールを踊りたかった」というルシィの夢は、物語の上では叶わなかったけれど
実は絵の中で現実になっていたんですね。
めでたし。
 

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Category : ヌレエフ情報
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いいえ、それはトムです

小説「Dancer」、ときどき寝る前とかに適当なページを開いてはぱらぱらっと目を通してたんですが
(読んでたとはとても言えないレベル)
先日、ずっとわたしがヌレエフのソ連時代の女友達だと思い込んでたキャラクターが
実のお姉さまだったことが判明しました……。
……なんでこの子の親父はヌレエフのこと息子呼ばわりしてるんだろうって、本気で不思議に思ってた。
(なぜそこで気付かないのか)
お姉さまのお父さんなんだから、正真正銘ヌレエフのお父さまですな。

お見苦しくも言い訳をさせていただくと、小説では一部人名が史実と違うものになっていて
お姉さん(多分ローザさん)の名前が「タマラ」になっているのです。
ヌレエフにはソ連にタマラって名前のお友達がいたはずなので、
あの人のことかって短絡的に考えたわけですね。はい。
……ソビエトの人名のバリエーションが少ないのが悪い。(涙目)
ロザマリアちゃんはキューバのメニアさんがモデルなのだろうか。

我ながらいくらなんでもこの勘違いはないわと思ったので
「いつか邦訳でたら横に並べて読む」とかふざけたこと言ってないで
一念発起してきちんと自分で読んでみることにしました。
長編小説とはいえ、凶器のごとく重く分厚いわけではないので、決して無謀ではないはず。
おそらく日本語だったら、いくら絶賛活字離れ中の私でも一日で読めちゃう量だと思います。
そう考えたら、そんな本を一行一行時間をかけて試行錯誤しながら読むことができるなんて、
ものすごく幸せなことなんじゃないかと思えてきました。
実際いま、何をするよりこの本を開いているときが一番楽しいです。
ちゃんと理解する前に映画ができちゃったらどうしようってハラハラしてます。
伝記のKavanagh本(凶器)やSolway本(厚い)もいつか、こんな心境で楽しく読めたらいいな。

……うん、だから、チームがBクラス落ちっぱなしで五連敗してたって、つらくなんかない、
もう全然つらくなんかないんだ……。



★なにかというと自虐ネタに走って、お気を遣わせてしまい申し訳ないです・ヮ・;
 ミスが多いのはほんとのことなので、バンバン指摘していただければこれ幸い。

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バイカル湖からやってきた

ちょっと前の記事で「萌えという概念も想像力も失ってしまった人生オワタ」みたいなこと書きましたが
なんか意外と簡単に復活しました。
ひとつの物語を何度も何度も別の角度から眺めてあることないこと妄想するには、
どうやら音楽が必要不可欠みたいです。あいしーきゅーしーきゅー。

まあ復活したところで、ブログ更新がはかどるかっていうのはまったく別問題だったりするんですが……
(次は荒廃した未来の地球でのロードムービーみたいなやつ やりたい)


というわけで、2011年8月末ごろの下書きログを敗者復活。
あのころはあのころでかなり精神状態があぶなくて
本気で「ル殿下はバイカル湖からやってきた水の妖精」とか思ってました。病気でした。
 

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中国のよくある昔話 (捜神記より)

今は昔、中国の越族の住む土地に、険しい山がありました。
そこにはおそろしい大蛇が住み着いており、山を通る役人など、多くの人間を食い殺すので
人々はいつも怯えて暮らしておりました。
牛や羊をお供えしても大蛇は静まらず、それどころか、人の夢に出たり巫子にとり憑いたりしては
「12・3歳の娘を生贄に差し出せ」と言い、人々を脅すありさまでした。




……中国に伝わる、とってもよくある設定の昔話。
乙女の犠牲を求める邪神を英雄が退治する、このような物語は
ギリシャ神話に登場するエチオピアの王女の名を取り
アンドロメダ型神話と呼ばれています。
日本では八岐大蛇とか、各地に伝わる猿神退治譚が有名です。

(って稗田先生が言ってた)

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Category : 本・TV・映画
Tag : 読書メモ
Posted by ミナモト on  | 0 comments 

追加情報/私の訂正

『疑問点メモ』コメント欄に新たな原文比較を追加していただきました。
是非ご覧ください。


そのお知らせのすぐ下がこんなのでまことに申し訳ないのですが……
2011年8月1日付のエントリ
「ミーシャは別冊太陽のバレエ本でもキエフバレエ出身にされてました」
とか書いてしまいましたが、間違いでした!
正しくは『文藝春秋デラックス バレエへの招待』です。別冊太陽さんすみません。
そういえばプレス・アイも文春でしたね。
ちなみにヌレエフは1939年生まれにされています。なんだその地味すぎる鯖は……

なんだか誤情報でさんざんですが、『バレエへの招待』は古くからうちにある本で
物心ついたくらいのころにグラビアページを眺めていた記憶がはっきり残っているので愛着があります。
ヌレエフの写真も大きく載っています。その記憶はないけど(笑)。

教訓、うろ覚えで不確かな情報を書くのはいくない。これから気をつけます。

Posted by ミナモト on  | 0 comments 

プティのインタビュー/書籍情報

今年7月に惜しくも世を去った、ローラン・プティのインタビュー(1999)の抄訳を見つけました。
作品、過去、愛と死、そしてヌレエフとマーゴ。
Ballet Asia - Dance Europe Magazine
http://www.danceeurope.net/balletasia/index.shtml

※リンク切れ修正
Japanese Dance Europe より
http://www.danceeurope.net/sites/default/files/J-154.pdf

未だに、亡くなったって実感が湧きません。

8月に戯曲『オンディーヌ』を読んで大変感動していたので、ジロドゥの言葉が引用されていることにちょっとびっくり。一ヶ月前の私なら「それ誰?」って言ってるとこでした。
感想記事書いたんだけど、感動と裏腹にかなりしょうもない出来になったのでお蔵入りにしたんですよね。書き直してみようかな


今年の五月ごろ、某書の件で落ち込んじゃってどうしてもブログに触る気になれなくて、
ブログもコメントもほったらかしにして逐電していたのですが(その節はご心配おかけしました、すみません)
そのとき立ち直るきっかけを与えてくれたもののひとつが、ニコラ・ル・リッシュ主演の『カルメン/若者と死』でした。

両方、あんまり元気になるようなバレエじゃないですよね(笑)。でも、とにかくル・リッシュが素晴らしくて!
それまであまり見たことのない人だったので、すごく新鮮な気持ちになれたんです。
カルメンもよかったけど、特に若者と死に引き込まれました。
この作品は今までヌレエフとバリシニコフの映像で見てたんですが、
やっと「若者と死って、こういうバレエなんだ!」と納得した気がします。
今までは、作品解説と実際の内容の印象とが合致しなくて「あれ?」ってなってまして。
この映像では

・悩める芸術家の若者が
・好きな女に冷たくされて
・絶望して
・死んだら
・実は女は死神だった(オチ)

っていう設定と話の流れが明確に見えました。
ヌレエフはそもそも全然女に惚れてる感じがしなくて、2番目の設定がいきなり崩壊してた気がする……
黒っぽいレオタード風の衣装のせいもあるかもしれないけど、ジジ・ジャンメールは「実は死神である女(恋人)」というより、そのままの姿でもう死の象徴に見えました。だから最後のオチもいらない(笑)。
それも、高圧的に若者を挑発し拒絶するのではない、甘美な誘惑としての死。若者は、ただそれに絡め取られていく。女が現れたあとの方が安らいでる気すらします。
というわけでこれ、ほとんど抽象バレエに見えます。もともとの作品のヴィジョンとは大分かけ離れてると思いますが、私は大好き! プティ的にもこれでもよかったみたいだし。1967年という撮影年代もいいです。
いつの時期のヌレエフにもそれぞれ魅力がありますが、28~35歳くらいの頃って、特に普遍的な輝きを放ってると思うんです。ダンサーの全盛期として普通に当たり前な時期ですが、それ以上の何かがあります。
それにしてもこのヌレエフ、いつも以上に瞳で語ってますね。被虐的な雰囲気もいい感じ。

ミーシャのはもっと生々しい感じ。映画のワンシーンとして撮ってるせいもあるだろうけど、
とにかくドラマティックで色々ほとばしってる。ヌレエフと比べるとかなり能動的に動いてます。
その感情のほとばしりと、彼の正確無比なテクニックがあいまって凄いことになってました。凄いけど、凄すぎて逆に若者っぽくない……。でも凄い。死神が普通の女性っぽいのは意図的なんでしょうか。
映画用にカットされてるのが残念。フルバージョンでじっくり見れば印象も違いそうです。


今度は書籍! メールで教えていただいた情報です。

『バレエの見方』 (長野由紀著/新書館)
ストーリーや振付など、名作バレエの見所を解説したガイドブック。
『海賊』『ジゼル』の章でヌレエフの踊りに触れられています。
また、振付作品として『ロミオとジュリエット』『ラ・バヤデール』の話題も出てきます。
ジュリエットに男性ダンサー起用する案があったとか、本当無茶やりおる……
長野さんの評論には、妙に贔屓目だったり扱き下ろしたりするところがなくて好き。参考文献が明記されているのもポイント高いです。

いつもありがとうございます。このブログはみなさんのおかげで回っています(^▽^)


★今日の小ネタ
http://www.panoramio.com/photo/30821601
ウィーンのルドルフ・ヌレエフ通り
なんか由来がある場所なんでしょうか?
地図のカタカナ表記が「ヌレユー」になってるゆう

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XXX

タグのミスとか修正したり追記機能使ったりリンクを張りなおしたり、原文比較の編集が大体完了。

★今日のダンマガ
2000年9月号の「ミレニアム記念・短期集中連載 20世紀 このダンサーが見たかった!」という企画で、
薄井憲二先生がヌレエフについて2ページほどの文章を書いてらっしゃいます
初来日時の舞台の印象を中心に、全体的にヌレエフべた褒め大好き大好きって感じなんですが
最後らへんで我に返って「でも振り付けには少しも感心しない
あの天才が振付けたものなんだから、なんか意味があるんだろうと思って我慢して見るけど
みたいなことを言っていて面白いです。

★古本で見つけました
プレス・アイ2 ザ・セレブ(文藝春秋編/文春文庫)
世界のセレブリティたちの表情を捉えた報道写真集。文庫サイズで白黒。
ヌレエフの写真は二枚掲載されています

一枚は1964年の、水着姿で浜辺ではしゃいでるヌレエフ。傍らにマーゴもいます。もうひとりはJoanさん?
肩幅が広いから逞しく見えるけど横から見ると実は平べったい、というヌレエフの不思議体型を堪能できます。
へっこんだおなかと背中の肋骨がやばいやばい(私がやばい

もう一枚は1974年、バリシニコフとのツーショット……っていうか、キスする寸前。
ブラボー、ロシア式挨拶! 面白いからもっとメジャーになってもいい写真だと思う(笑)
しかしキャプションが、「2人が出会うのはヌレエフの亡命以来13年ぶりのこと」「キエフバレエ団のソリスト」(ミーシャのこと)などと適当すぎます。
ヌレエフが亡命したときミーシャ12歳だよ。まだワガノワにも編入してないよ。

ちなみにミーシャは文藝春秋デラックスのバレエ本でもキエフバレエ出身にされてました。
おかげで私はバレエに嵌りたての頃、「キエフとキーロフって違うの?」とか「プティとプティパは同じ人だよね?」とか「ポントワとアタナソフはロシア人でしょ?」とかわけわかんない勘違いしてました(後半自己責任)。
正直アタナソフに関しては、去年パリオペに興味を持つまで間違えたままでした
このぶんだと未だに勘違いしてることも多そうなので
変なこと書いてたらやさしく教えていただけると嬉しいです……。



Amazonで新品を注文して1ヶ月待っても来なかったので(在庫切れ)
痺れを切らしてマーケットプレイスで買ったSolway本が届きました!
まだ全然読んでないんですが、初めて見る写真がいっぱいあったのでとりあえず満足。
ていうか、写真のセレクトがいちいち私好みです。Kavanagh本のセンスはよくわからない……(Pottsさんはあれでいいのか?)
味をしめて他にも色々買っちゃいました。マーケットプレイスに嵌りそうです

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読んだ・見つけた本/キラキラ選手権

先日図書館でベジャール・愛と死の祝祭(河原晶子著/新書館)を読みました。
(最近超大御所・名作系のコンテンポラリーに嵌っているのです)
『さすらう若者の歌』について何か書いてないかなーと思ったんだけど、
さらっとしか触れられてなくてちょっと残念。
でも、奇妙な文脈でヌレエフの話が出てきて面白かったので引用してみます

 バレエ団のトップ男性ダンサー、美しく乱れる金髪のジョルジュ・ドンの、ふとした瞬間にヌレエフを思わせるあの人の心をそそるようなお色気、あれはモーリス・ベジャールとジョルジュ・ドン自らの共作による輝ける宝なのだ。


……ドンの色気をヌレエフに例えるというのはなんだか、ライオンのことを「虎のように精悍」と形容するような居心地の悪さを感じます。似てる似てない以前に、ふたりとも同格の、あまりに個性的で偉大なダンサーなので、比較のしようがない気がして。
でもこれは現代の視点であって、当時のリアルタイムの感覚では、ヌレエフはドンより10歳以上年長の「ひとつ前の世代のダンサー」という位置づけだったのかな。
意地悪な見方をすれば、「ちょっと昔の人」という感覚だったのかもしれないけど(笑)

ちなみに、この文だけ抜き出すとなんだかすごく変な本のようですが、ほんとはちゃんと真面目なベジャール論の本です。なぜ色気に「お」を付けてしまったのか。著者はバレエの専門家ではないそうですが(本職は映画評論?)、そのぶん、当時の観客がベジャールをどう見ていたのかがリアルに伝わってくる気がします。
私はドンさんの映像はほとんど見たことがないので、ヌレエフとの相似性については例によってコメント不可能。ホワイトナイツ・ガラで、ルジマトフと一緒に楽しそうに踊ってたのが可愛かったとか、それくらいしか知らない。
とりあえず『ボレロ』はあの映画のやつを見ればいいのかな? と思っていたけど、
本書によると『愛と哀しみのボレロ』の中のボレロは、舞台で踊られていたものとかなり雰囲気が違うようです。
また、たまに「ヌレエフが踊ったボレロの映像」の噂を聞きますが、私の知る限りヌレエフはボレロを踊ったことがありません。
上の映画でドンが演じた役柄のモデルがヌレエフだそうなので、そこから生じた誤解なんだと思います。
ヌレエフが踊ったベジャール作品は『さすらう若者の歌』(初演)、『春の祭典』などです。
でも、ボレロも見たかったー!


検索したら河原さんが関わった面白そうな本が見つかったのでもういっちょ。こっちは図書館になかったので読んでないけど

★ミハイル・バリシニコフ 愛と喝采の日々 デラックスカラーシネアルバム 31
(河原晶子・梶原和男編/芳賀書店)

ミハイル・バリシニコフ(スタアの魅力を探る―バリシニコフ・つれづれ;バリシニコフ小伝;バリシニコフ―フィルモグラフィー)
ルドルフ・ヌレエフ(スタアの魅力を探る―夢見る王子さまの甘い肉体;ヌレエフ小伝―上野房子;ヌレエフ―フィルモグラフィー)
ジョルジュ・ドン
パトリック・デュポン
アレキサンダー・ゴドゥノフ―フィルモグラフィー
ジョルジュ・デ・ラ・ペーニャ―フィルモグラフィー
バレエ映画―作品リスト〔ほか〕


参考:紀伊國屋書店BookWeb

タイトルはミーシャですが、もくじを見るとヌレエフの事も書いてあるようです。
俳優として映画に出演したダンサーたちについての本なのかな。思ったんだけど、映画に出てスターになるのって男性ダンサーばっかり?
赤い靴は古すぎるし……そういえばプリセツカヤ様がチャイコフスキーの映画に出たりしてたかな。

それにしても、「夢見る王子様の甘い肉体」、かあ。
私もそれくらいキラキラしたことを言ってみたいんですが、偉大な先人達の発言が高度すぎてなかなか上をいけません。下手なこと言ったら滑りそうだ(既にガラス細工のなんたらで玉砕済み)。夢見がちなことにかけては誰にも負けないと思ってたのに!
そもそもヌレエフ本人が輝きすぎなのがいけないのです。
ヌレエフについて詩的に語る選手権の優勝は、森下さんの「ヌレエフは地上の人々にバレエの楽しさを教えるためにやってきた踊りの精」。(細部うろ覚え)
夢見がちなファンとかライターならともかく、現実世界でのパートナーにこうまで書かせるヌレエフの偉大さここにあり。
次点はダンマガに載ってた金子國義さんの追悼文。緑色の液体ってどこで売ってますか

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ダンスマガジン・インデックスなど

折角大きい図書館に行ったのに、読みたかった館内閲覧資料のメモ忘れました……_ノ乙(、ン、)_
悔しいのでここにメモっておきます。これで出先からも見られて安心

■ダンスマガジン・ヌレエフ登場号いちらん (創刊号~93年)
<隔月刊>
2号 カラカラで絶賛を浴びた森下洋子とR・ヌレエフ
3号 ヌレエフとマギー・マラン/前田允
4号 森下洋子インタビュー
5号 (表紙写真)
6号 ヌレエフ・フェスティバルははなやかに…
12号 PEOPLE ヌレエフの新作『シンデレラ』オペラ座初演
21号 ヌレエフとその仲間たち
23号 男性舞踊主の時代を築いたルドルフ・ヌレエフの舞台
    ヌレエフを讃えるパリ・オペラ座バレエのガラ公演/上田智美
31号 ルドルフ・ヌレエフ、キーロフに舞う
32号 パリ・オペラ座バレエ ヌレエフからデュポンへ/G・マノニ

<月刊>
'91年
7月号 詳細不明(たぶんキーロフ特集記事)
8月号 思想としてのヌレエフ/相澤啓三
9月号 ニジンスキーからジョルジュ・ドンへ/佐々木涼子
     コリオグラファーとデザイナー、その夢の果実/森英恵
10月号 PEOPLE ルドルフ・ヌレエフ・ファイナル・ツアー
'92年
2月号 詳細不明(渡辺守章氏のダンスマガジン・インタビュー)
3月号 詳細不明(たぶんロシアバレエ特集記事)
6月号 PEOPLE ルドルフ・ヌレエフ、指揮者に転向!?
10月号 ダンスと私 金子國義
11月号 詳細不明(牧神の午後に関して渡辺守章氏が書いた文章らしい)
'93年
1月号 オペラ座開幕、ヌレエフ版「ラ・バヤデール」/G・マノニ
3月号 長い灼熱の一日の終わり/佐々木涼子
4月号 追悼特集
10月号 詳細不明(どうやら、ヌレエフ記念国際バレエコンクールの記事)
12月号 PEOPLE ルドルフ・ヌレエフ所有の美術品、NYでオークションに 

93年4月号に載ってたリストを参考にしました。
「詳細不明」のものと93年12月号は、ダンマガ増刊の93年バレエ年鑑のダンサーズ・インデックスから。
そっちは多分「ちょっと名前が出てくる」程度の小さい記事ではないかと思います。
93年12月号は持ってるんですが、本人の写真がないのにダンサーズ・インデックスで「写真あり」扱いになってるのがなんか理不尽。ヌレエフのハープシコードの白黒写真を見てどうしろと。いや嬉しいけど。


で、図書館。手ぶらで帰るのは悔しいのでとりあえず『コリオグラファーは語る』(新書館)とか借りてみました。
プティとノイマイヤーのインタビューにヌレエフの話が少し出てきます。
(ノイマイヤーのはこれ

ヌレエフが死の3週間ほど前、プティに「マーゴと結婚できなかったのが生涯一番の心残り」
と語っていたという記述に落涙を禁じえないです
……発言内容は知ってたので「そんなこと言ったってしょうがないじゃん」とか思ってたんだけど、
死の3週間前に語った生涯いちばんの心残り、という前置きがつくのか……。


 ある時、個人攻撃され、傷ついたヌレエフが「あーいやだ。心が石のようだと楽なんだ」とうなっていたので、私は慰めた。
「でも、あなたは人々に、どれほど与えられるか、考えなくては駄目よ。私にとってもあなたと踊れることが、どれほど素敵なことか、わかるでしょ。私が何百回となく踊ったバレエに、あなたは新しい生命を与えてくれたのよ。ルゥディの心が石だったらできないことでしょう?」
(『マーゴ・フォンテーン自伝 愛と追憶の舞』 湯川京子訳/文化出版局)


はじめて読んだときからなんとなく気になってメモしていた、
最近さらに心を打つ一文。



もうひとつ、今度は映像ソフト情報。先日「ヌレエフとプティパ」上映会について書きましたが、
その映像のVHS版が出ていたことを教えていただきました!
やっぱりフランスには存在してたんですね。
■参考リンク
http://www.lacinemathequedeladanse.com/catalogue/montage/33
http://www.worldcat.org/title/noureev-et-petipa/oclc/79094442
マカロワとの映像とかもあるんだ


★いろいろ滞っててごめんなさい! メールとか拍手とかコメントとか情報とか、なかなかレスできませんが心のささえですホント……

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オペラ座読書メモ

またもや読んだ本のメモ的更新。こんなんばっかでサーセン

★パリ・オペラ座バレエ
 (パリ・オペラ座編/アイヴォール・ゲスト著・大屋政子訳/KKダイナミックセラーズ)

ルイ14世からヴィオレット・ヴェルディまでのオペラ座の歴史。白黒ですが図版も豊富。
巻末付録の上演作品一覧なども充実しています。人名表記は若干怪しいけど、まあ。
昭和53(1978)年発行ということで「なーんだヌレエフ監督時代じゃないじゃん」と放置してましたが、よく見たら『トリスタン』『ペトルーシュカ』『ジゼル』等のヌレエフの舞台写真が数枚載っていたのでここで紹介します。とても現金。
あと個人的に面白かったのが、バレエ監督の座を蹴ったベジャールが「自分とプティ、そしてエリック・ブルーンの三頭政治体制でのバレエ団の運営」を考えていたということ。意外な組み合わせだ。ブルーンの人となりは良く知らないけど、なんか2年くらいで喧嘩別れしそう(すみません)。
日本を題材にしたバレエ『イエッダ』の衣裳を着たバレリーナの写真が載ってたのも嬉しかった。着物ドレスとか和ロリみたいな感じで可愛いです。でも19世紀だからできたことで今やったら痛いかな……はっ、バヤデルカ!

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オペラ座関連書籍【4月6日ちょっと追記】

とってもご無沙汰しております…。図書館でオペラ座関連本を借りたのでちょっと覚書をば。
まだ殆ど読めてないので、普通に的外れなこと書いてるかもしれないけど許してね。あとから加筆訂正するかもしれません。
【4/6 ちょっと加筆しました。久々の更新が嬉しくて色々と先走りすぎた】

★パリ・オペラ座 フランス音楽史を飾る栄光と変遷 (竹原正三著/芸術現代社)
 オペラに造詣の深いフランス在住の著者によるオペラ座レポート集。バレエ関連の記述はかなり少ないんですが、ヌレエフ時代のオペラ座バレエについて3ページほど触れられてます。割と好意的。
デュポンは87年から「客演エトワール」という特殊な位置にいたんですね。ヌレエフとの確執が原因だとよく言われますが、ヌレエフはナンシーバレエで監督やってるデュポンに電話して「いつ私をそっちで踊らせてくれるの?」とか言ったそうです(デュポンの自伝より)。……。これが噂のAKY(死語)か。
【追記】さすがに3ページってことはなかった。オペラに関する記述の方がずっと多いのは確かだけど、バレエにも結構触れられてます。

★パリ・オペラ座 夢の聖堂の秘密 (ミッシェル・サラザン著・木村博江訳/音楽之友社)
 フランスのジャーナリストによるオペラ座物語。面白そうなんだけど、バレエ団に対する視線が若干スキャンダルっぽいのが気になる。ジャーナリストが書くとどうしてもこうなってしまうのか。
バレエは清く正しく美しいものなのですなんて言う気は毛頭無いけど、必要以上に「妖しげで普通ではない世界」として捉えるのもなんか違う気がするの。ゲージュツなんて、多かれ少なかれどっか歪んでて当たり前なんじゃないですか? あと、ルグリとギエムが結婚してたって超初耳です……。付き合ってたって噂なら聞いたことあるけど。
それでもヌレエフに関する記述は興味深いですね。芸術監督就任当初、ダンサーの昇進コンクールを廃止し、さらに階級を3つ(エトワール、ソリスト、コールド)に減らすことを要求したとか。
他のバレエ団でもそんなシンプルな階級制度ってなかなかないと思うんですが、それを歴史と伝統のオペラ座でやろうとするあたりはさすがヌレエフ(笑)。そんなこと言ってるから煙たがられるんだと思う。
階級の数はともかくとして、コンクール制度に歯痒い思いをしたらしいことは確かに他の本でも読んだ気がするなあ。自分がいいと思ったダンサーを昇進させられないというのはストレスでしょうね。
もうひとつ目新しかったのが、ヌレエフの要望によってオペラ座内に新しい大きな練習スタジオが作られたということ。それまでオペラ座ではバレエスタジオの数が充分ではなかったそうです。オペラ座のレッスン場にはいちいち名前がついていたはずだけど、出口の丸天井の下のスタジオってどこだろう。
【追記】なんか言いすぎた気がする。でもやっぱり微妙な悪意まじりの好奇の目を感じるんだよなあ。それくらい私にもあるけど。

★パリ・オペラ座のエトワール (ジェラール・マノニ、ピエール・ジュオー著・石井洋二郎訳・コレット・マソンほか写真/新書館)
 17人のエトワールのインタビュー集。ヌレエフ本人の記事はありませんが、ダンサーたちの言葉の端々にヌレエフの存在が見え隠れしてます。白黒ですが、ヌレエフの舞台写真も何枚か。
しかし、シャルル・ジュドのページが丸ごと破り取られていたのは痛いです_ノ乙(、ン、)_
ヌレエフの片腕といっていいほど近しい人だったから、特に楽しみにしてたのにな……。ひどい。
【追記】国内版の出版年が1986年だったので普通に勘違いしてたのですが、原書は1982年発行なのでヌレエフ監督時代とはかぶってません。道理であんまりヌレエフ世代じゃないと思った……

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ヌレエフとミック・ジャガー

この間図書館からミック・ジャガーの伝記を3冊ほど取り寄せたんですが、
やたら細かい文字がぎっしり詰まってるわやたら分厚いわで心が折れたのでしばらく放置してました。
折れたっていうか、正直羨ましすぎる。こんな本が沢山出てるなんて、ポップスターはいいなあ……。
ヌレエフだってバレエの枠を超えて大衆のアイドルとなった画期的ダンサーな筈なのですが、それでもこういうメジャー度ではロックヴォーカリストに負けるのね。(勝ち負けの問題?)
でもよく考えてみたら、極東の島国でスキャンダルがあることないことダダ漏れになるよりは
情報量が少ないほうがまだマシかもしれません。
芸術家なんだからミステリアスでいいよね

そしてようやく元気を取り戻して『ミック・ジャガーの真実』(クリストファー・アンダーセン著・小沢瑞穂訳/福武書店)からヌレエフ関連の記述を探し出したときには、返却期限がすぐそこに迫っていたという。_ノ乙(、ン、)_
あと2冊はまた暇なときに調べます。でも適当に斜め読みした限りでは、ヌレエフの名前は出てない感じ。

書いてあった内容は大体『ヌレエフ―20世紀バレエの神髄 光と影』とかぶってます。ミックがヌレエフの舞台を見に行ってお互いひと目で夢中になったとか、パーティで色々お喋りしたとか、ジェラルド・リヴェラの家で2人して弾けてたとか。(リヴェラさん超お疲れ様でした……逃げ切れましたか?)
何気にミックと関係ないヌレエフの男女関係まで暴露されてるのですが、そのあたりの内容も一緒なので、つまり『光と影』の参考文献のうちのひとつなんですね。
ただ、原語も訳も違うので細部のニュアンスが異なっているところはあります。
『光と影』には書かれていなかったこともありました。70年代にミックとヌレエフがポランスキーの映画で共演するプランがあったけど、どういうわけか実現しなかったみたい(ヌレエフのスケジュールがパンクしてたからじゃないかなあ)。
ちなみに内容はなぜか『オセロ』。オセロの話はよく知らないけど、ヌレエフがオセロでジャガーがイアーゴでしょうか(※適当)
2人の親交は、ヌレエフが亡くなるまで続いていたらしいです。


積極的にプライベートを探るのはこれでしばらくお休みにして(笑)、これからはバレエや映画の面からヌレエフに迫ろうと思います。
伝記は一部当てにならないし、スキャンダルはときどき誇張されてる感があるし(真実も多くあるんだろうけど)、なんかそもそも本人の言うことすら信用できないし……。
英国ガーディアン誌の記事によると、「ギエムは自分が結婚を考えた唯一の女性」とかそんな愉快なことをおっしゃってたそうな。あの、マー……いえなんでもないです。
軽口叩いてみたらいつの間にか活字になってたとか多分そういうパターンだろうけど、
その場の勢いで求婚するのはおやめくださいジークフリート殿下。

……本気だったらどうしよう。


おまけ:ヌレエフの舞台を観に来たジャガーさんとマリアンヌ・フェイスフル。演目はプティ振付の『失楽園』だった模様。

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